初期費用の中でも最も大きな割合を占めるのがこの敷金、礼金。敷金は退去時に入居前の状態に戻すために充てられる修繕費用、礼金は大家さんに払うお礼金のこと。前者は関西などでは保証金とも呼ばれ、退去時の原状回復をするための必要経費なので、設定されている金額か ら減額するのは難しいが、後者はその特性や現在の借り手市場から交渉の余地が ある初期費用だ。

首都圏などでは敷金、礼金とも家賃の2カ月分が一般的だったが、最近ではともに1カ月分だったり、礼金ゼロの部屋も増加。特に築年数が古い物件や、長く入居者募集を出している部屋は、入居をしやすくするため礼金を抑える部屋も多いという。 また、敷金は3カ月分だが礼金や保証人が不要というUR都市機構が運営する賃貸住宅も。

契約時には入居可能日から次の支払い日までの家賃を前払いする。例えば契約日が9月20日で入居日が10月1日でも、10月1日までの日割り家賃と10月分の家賃を先払いすることに。これで気になるのが家賃のダブル払い。入居日を見越した契約日を確認しよう。また、家賃を抑えるにはフリーレント物件を探すこともオススメ。 フリーレントとは一定期間家賃が免除になる部屋で、無料期間は1カ月、3カ月など物件によってさまざまある。気になる該当物件の数は、「2～3年前と比べて増えていると思います」

また、家賃は右のグラフのとおり築年数が古ければ古いほど下がる傾向にある。賃料は交渉することも可能なので、人気物件は無理だが、そうでない場合は試してみるのもひとつの手だ。

契約も済ませ、さあ、あとは新居へ引越すだけと浮かれるあまり、ついつい出費項目から忘れてしまうのがこの引越し費用。費用の基準は引越し会社によってさまざまだが、通常、繁忙期か否かにくわえ、荷物の量や移動距離、運搬車が物件の目の前に駐車できるかどうかなどで異なってくる。この費用を抑えるには、利用者が多い休日を避けた平日の引越しや、時間指定を避けること。また、数社に見積もりをとって比較検討することもポイン トだ。その際に注意したいのは早めに動くということ。見積もりが出るまではある程度の時間がかかるし、平日の引越しのためには、会社を休む都合をつけたりしなくてはいけない。入居日が決まりそうになった段階で、なるべく早く動いておくことが重要なのだ。