敷地面積108.4m2(約32.79坪・約65.46畳)、間取り4LDK。これは首都圏にある一戸建ての平均的な広さと間取りだ。一見、広いようにも思えるが、子どもがふたりいる4人家族の場合、1階に10畳程度のリビングと客間、2階に各6畳程度の夫婦の寝室と子ども部屋が2つ。こんなふうに考えると、案外余裕は少ないもの。
では、「あと8畳広かったら?」と考えてみたらどうだろう? リビングが18畳くらいに広くなれば、家族がリビングでのびのびくつろげる時間が増えるかもしれないし、リビングの一部に畳を敷いて和の空間を演出するなんてこともできる。またホームシアターを設置しても楽しそうだ。寝室など各居室も、6畳ではなく8畳~10畳のゆったりした間取りで計画することも可能となる。
一方、「工務店」や「建築設計事務所」は、ハウスメーカーと比べると小規模で、独自の間取りプランを持たない代わりに、個性的でよりオリジナリティにあふれた家づくりや、気候や生活習慣などといった地域特性に即した家づくりができる。
“あとちょっと”の広さを、部屋数に求めたらどうなるか?もうひと部屋多ければ、憧れの書斎にすることもできるし、夫婦で共用のホビールームにすることもできる。趣味用のスペースは必要ないというファミリーなら、増えた部屋を収納部屋として使うことで、家の中をスッキリ、より広々させることもできるだろう。
広めの敷地があれば、ゆとりの間取りを考えられるだけでなく、庭やカーポートについての設計自由度もあがるというもの。100m2では1台分しかとれないケースが大半だが、2台止められるカーポートも検討できる。また、広めの庭をつくれれば、いつも目の届くところで子どもを気軽に外で遊ばせることもできる。家庭菜園を設けて、子どもと一緒に食育を考える…なんてことも夢じゃない!
2世帯住宅では、リビングやキッチンなどを部分的に共有する、「一部共有」の形が一般的。敷地面積が足りずに、「本当は別々にしたかった玄関やお風呂を共有にせざるを得なかった」というケースも多いもの。ここにあと8畳分(約13m2)の広さがあれば、玄関やお風呂を別にした2世帯住宅が実現できる可能性が高くなる。リビングを別にすれば、プライベートな空間も分けることも可能だ。
平均がこれくらいの広さだから…と、周りの環境にとらわれず、自分らしい暮らしができる広さを手に入れよう。そのためには、エリアを広げて家や土地を探す視点が大事。駅から5分遠く、もしくは職場から2駅離れるだけで、予算を変えずに広い家や土地に出会える可能性は飛躍的に高まるものだ。広さはあとから手に入らないもの。家族みんなが快適に暮らせるように、ぜひ”あとちょっと”の広さがもたらすゆとりを考えてみよう。