住まいの機能と新しい価値を「創造」する改修のこと
改修や補修が主となるリフォームに加え、時代やニーズに合わなくなった建物の性能や価値を再生、向上させる改修のこと。さらに統一の基準に基づいた検査を行い、アフター保障も付いた「適合リノベーション住宅」という規格もある。該当するマンションの基準を定めることから2009年7月にスタートし、2011年2月から一戸建ての基準も定めている。
Nさん夫妻が住まい選びで重視したのは、「エリアを変えない」と「気に入った空間」だった。「住んでいた場所になじみがあって。二人が大好きな、思い出のある喫茶店があったり」そうして物件探しへ。しかし、希望を満たす物件はなかなか見つからず、そんな折、雑誌でリノベーションを知った。設計監理だけでなく、物件探しも同じ会社に依頼できたため、「希望の間取りや仕様にできるかどうかを相談しながら物件探しができたので、スムーズに進められましたね」という。
リビングからは見えない篭り感のある寝室。洗面浴室ともつながっている
趣味の自転車も広い土間に置けばインテリアになる
空間モチーフは前述の喫茶店。埋め込みアンプや無垢の床材で実現した。さらに自転車を5台置ける土間をつくるなど、「リノベーションでなければできなかった」という納得の空間に。「外出が減りましたね」とNさん。コーヒーの香りがゆらぐ住まいは、第二のお気に入りの喫茶店でもある。
【写真左】夫妻のワークスペースは段差を付けることで区分け【写真右】使い勝手を重視したシンプルなキッチン
「このエリアで快適なマイホームが持てるとは、数カ月前は夢にも思いませんでした」と振り返るKさん夫妻。以前も同じ世田谷区の賃貸マンションで暮らしていたが、より通勤が便利になり、キッチンなど設備も使い勝手がいい。何よりも緑が多く、風が通り抜ける空間が心地よいという。それでいて毎月の負担は約3万円下がった。
きっかけは妻の妊娠によって家計を見直したこと。住居費=家賃を下げる必要性に迫られた。ただし、残念ながら家賃や価格が高い同じエリア内での引越しは無理だろうと考えていた。
そんなとき出合ったのが、リノベーション済み、築29年の中古マンションだ。一歩足を踏み入れると、窓外の緑が映えるグリーンの壁、間接照明などおしゃれなインテリアで、まるで新築マンションのよう。加えて「適合リノベーション住宅」として2年間のアフター保障が付くことも決め手になった。「住み心地は予想以上に良く、正解でした」とKさんは満足そうだ。
【写真】妻のお気に入りであるシックなデザインで機能的なキッチン。LDとの仕切り壁も個性的な空間を演出
1.手ごろ価格で購入できる
中古物件がおすすめの理由の第一は価格の安さ。データを見ても、中古マンションは新築に比べて約4割ほど安くなる。同じ予算で条件のよい物件を買えるので、リノベーション費用も捻出しやすい。
東京カンテイ調べ。集計期間:2010年9月~2011年8月。新築・中古マンションともに専有面積30m?未満の住戸は集計から除外(※表は広島県のデータを参照)
2.立地が選べる
新築に比べて数が多いのもメリットの一つ。また、新築物件の場合、同じ場所に集中して販売されることが多いが、中古は販売物件が点在しているので、それだけ選べる立地の幅も広がるだろう。
数が多いので、駅近など希望の立地が選びやすいのがメリット
3.実物を確認できる
中古物件はすでに建っているので、実際に中に入り確認してから購入できる。日当たりや眺望、広さなどが実感できるのだ。また、それまでに発生した建物の不具合もチェックできる。壁のひびや雨漏りの跡などがないかを確認しよう。
4.自分好みにできる
中古は古くて嫌と、敬遠する人も今回紹介するリノベーションを行えば解決。リノベーションは間取りの変更もできることが多いので、より自分好みの空間にできるし、適合リノベーション住宅ならアフター保障もつくのでより安心できる。