結婚してから住む家 借りる?買う?それとも建てる?

公開日 2011年01月12日
結婚してから住む家 借りる?買う?それとも建てる?

借りるor 買う or建てる 二人にはどれがお似合い?

新婚の家として考えられるのは、賃貸、マンションや一戸建ての購入、住宅の建築の3パターン。それぞれのメリット、デメリットを探りながら、どんな人にどのタイプがふさわしいか考えてみた。

初期費用は安く、早く住みたい二人にお勧め

  • ・ 入居のための費用が少なくてすむ
  • ・ 入居までの期間が短い
  • ・ 気軽に住み替えられる
  • ・ メンテナンスが必要ない
  • ・ 内装を自由に変えられない
  • ・ 好みの間取りが選べない
  • ・ 十分な広さのある物件が少ない
  • ・ 家賃がもったいない

新婚カップルの住居形態で圧倒的に多いのは賃貸。「ゼクシィ新生活準備調査2010」によれば、約63%が賃貸で準備している。新婚カップルが賃貸を選ぶのは、金銭的負担の少なさや気軽さのゆえ。賃貸は購入に比べ、入居時の金銭的負担が少ないので、結婚式などで物入りな新婚カップルには大助かりだ。

また、転勤や転職があったり、子どもが産まれて家族が増えたりと、新婚カップルは将来的に生活が変化する可能性が高いことも多く、とりあえずの住居として賃貸を選んでいるという側面もなきにしもあらずのよう。さらに、家を探し始めてから入居するまで3?4カ月あれば十分なので、とにかく早く二人で住みたい、あるいは急きょ結婚が決まったという二人にもぴったりなのだ。

住居にかける予算があまりない、なるべく早めに入居したい、将来的に生活が変化する可能性があるので、とりあえずの住居でOKという二人には、賃貸がお勧め。賃貸で二人暮らしのペースをつかみ、ゆくゆくは購入を考えるという方法をとってもいいだろう。

借りるイメージ写真

いずれは購入と考えるのならいっそ最初から!

  • ・ 自分の資産となる
  • ・ 自由に改装できる
  • ・ 持ち家の充実感がある
  • ・ 購入する際にある程度のお金が必要
  • ・ メンテナンスの費用や税金がかかる
  • ・ 気軽に住み替えができない

結婚年齢が上昇傾向にある昨今。新婚カップルでいきなり新居を購入したという人もいる。購入派は約15%で、このうち、マンションを購入したという人は約8%に上る(「ゼクシィ新生活準備調査2010」より)。

購入派の多くは、家賃にお金を費やすのはばかばかしいと考えており、結婚を購入の良いきっかけととらえているよう。また、賃貸では気に入った広さ、間取りの物件がなかなか見つからず、思い切って購入したという人もいる。

家を購入するには、当然のことながら費用がかかる。購入金額の平均は3190.4万円、住宅ローンの金額の平均が2847.9万円。諸費用の目安が5?10%なので、3000万円の物件を購入し、2800万円をローンで借りるとしても、350万円~500万円が必要になる勘定だ。

したがって、二人にある程度の貯蓄があったり、親からの援助か見込める人でないと、購入するのは難しいだろう。さらに、新築の未完成物件の場合は、入居まで1年以上かることも。すぐに住み始めたいのなら、完成物件や中古物件を選択肢の中に加えるといいだろう。

買うイメージ写真

親から土地を譲渡、地元に住むことが決まっている人は

  • ・ 自由に間取りや内装を考えられる
  • ・ 自分の資産となる
  • ・ 持ち家の充実感がある
  • ・ 購入する際にある程度のお金が必要
  • ・ メンテナンスの費用や税金がかかる
  • ・ 気軽に住み替えができない

賃貸、購入に比べ、さらにハードルが高くなるのが、家を建てるという選択だ。家を建てるためには、土地を準備し、どんな家にするかを一から計画する必要がある。

そのため、新婚でいきなり家を建てる人は、親から土地を譲渡される、あるいは将来親の家の近くで住むことが決まっているというケースが多いようだ。また、気に入った賃貸物件や購入マンションがないというエリアでは、必然的に戸建住宅の建築を選ばざるを得ない場合もある。

家を建てる場合の最大のメリットは、間取りやインテリアなど自分の好みに設計できるということ。当然のことながら、資産価値も生まれる。ただし、購入するのと同様、ローンを組むにしてもある程度の費用は必要。また、一から設計するために、時間もかかる。したがって、時間的余裕があり、ある程度の貯蓄や親からの援助が見込める人向きということができるだろう。

親から土地を譲渡イメージ写真

借りるor 買う or建てる どんなダンドリで進めればいい?

結婚後の新居探しは、結婚式の準備などと並行して行うことが多いため、なにかと忙しい。どんなダンドリで進めていけばいいのかを事前にしっかりと把握し、準備をしていくとスムーズにいくはず。

検討から入居まで3~4カ月「借りる」のダンドリ 

下見から申し込み、契約まではスピーディに行いたい。契約がすんだら、引越しの手配もお忘れなく。

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1 入居予定日、予算、立地、広さ、間取りなどを検討する
まずはどんな部屋に住みたいか、条件を整理する。必ず決めておきたいのは、入居予定日と予算(家賃)。立地や広さ、間取りについてはこれだけは譲れないというラインを決めておくといい。
2 情報誌やネットなどで条件に合った物件をチェック
条件が出そろったら、情報誌やネットなどで希望の物件があるかチェックを。希望物件があまりないようであれば、条件が現実的でない場合も。条件を見直すなどして、再度検討を。
3 希望の物件を扱っている不動産会社に連絡を入れる
希望物件が見つかったら、取り扱っている不動産会社に連絡をし、下見ができるかを確認する。また、同じような条件の物件があれば、見せてもらえるように依頼しておくといい。
4 不動産会社を実際に訪問し、物件を見せてもらう
不動産会社では相談と下見に少なくとも1時間は必要。時間に余裕を持って出かけたい。どんなところをチェックするのか、事前に確認しておくと、下見がスムーズに行える。
5 物件をしっかり下見して検討する
部屋の間取りや広さなどはもちろん、日当たりや騒音、匂いなど行かなければわからないことを確認。また、周辺環境もチェックして。筆記具とメジャーを持っていくと便利だ。
6 申し込みをし、現在の住居に退去予告を
気に入った物件が見つかったら不動産会社に伝え、すぐに申し込みを。申込書には保証人を記入する欄があるので、事前に決めておこう。同時に、現在の住居に退去予告をしておく。
7 引越しの準備を始める
入居のための審査には約1週間かかるので、その間に引越しの準備を。引越し会社数社から見積もりを取り、会社を選定。不用品廃棄の手配や、梱包材の用意を併せて行う。
8 契約を行う
審査でOKが出たら、契約をする。契約の際に必要なのは、住民票や印鑑証明、保証人の同意書、源泉徴収票など。契約書に署名捺印をし、必要な費用(敷金や前家賃など)を支払い、鍵を受け取る。
9 引越し&入居
役所に転出届を提出。ガスの開栓は住人の立ち会いが必要なので、事前にガス会社に連絡を。電話やインターネットの移転・新設の手続きも早めに行っておくとよい。

検討から入居まで3~4カ月「借りる」のダンドリイメージ

検討から入居まで1年半~2年「買う」のダンドリ (新築マンションの場合)

大きな買い物になるので、じっくり検討し、慎重に選びたい。未完成物件の場合は、入居まで1年以上かることも。

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1 資金計画、立地、広さ、間取りなどを検討する
長い期間住むことになるから、広い視野に立ち、将来を見据えた選び方をすることが大切。同時に資金計画を練り、いくらの物件なら無理せずに購入できるかを見極める。
2 情報誌やネットなどで条件に合った物件をチェック
希望の条件に合う物件を情報誌やネットで探してみる。じっくり腰を落ち着けて探すのなら、ハウスメーカーの会員になり、定期的に情報を送ってもらうという方法も。
3 モデルルームを訪問する
気に入った物件が見つかったら、モデルルームに出かけてみよう。できれば複数の物件を見学し、比較検討してみることをお勧め。わからないことは遠慮せずに担当者に聞こう。
4 申し込みをし、事前審査を受ける
購入を決めたら申し込み。その際は申込証拠金(5~10万円)が必要となる。同時に、住宅ローンが利用できるかどうか事前審査を行う。結果が出るまでだいたい3日くらい。
5 手付金を支払い、売買契約を結ぶ
「重要事項説明書」をもとに説明を聞き、その後、売買契約を結ぶ。重要事項説明と契約は同日の場合が多い。また、契約時には手付金(物件価格の1割程度)も必要だ。
6 ローン契約を行う
住宅ローンを正式に申し込む。売買契約と同日に行うこともあれば、後日、金融機関で行う場合もある。なお、建物が未完成の場合は、入居2カ月前ぐらいに行うのが一般的。
7 内覧会に参加する
未完成物件は建物が完成した後に内覧会が行われる。この時に、間取りや内装、設備などをチェック。不具合がないかどうか確認し、問題があれば不動産会社に伝える。
8 引き渡し
残金や購入諸費用などの支払いがすむと(住宅ローンの場合は金融機関から直接振り込まれることが多い)、住居の鍵が渡される。後日、司法書士によって不動産登記が行われる。 
9 引越し&入居
入居日にあわせ、引越しの準備をする。どこに何を配置するのか事前に決めておくとスムーズだ。なお、大規模マンションの場合は引越し日や引っ越し会社が指定されることもある。

検討から入居まで1年半~2年「買う」のダンドリ (新築マンションの場合)イメージ

検検討から入居まで8カ月~1年半 建築のダンドリ (すでに土地を持っている場合)

自分の思い通りの家をつくるのは、楽しみでもあり、また、大変な作業でもある。将来の生活をイメージし、計画することが大切だ。

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1 どんな家を建てたいか検討する
どんな暮らし方をしたいのかイメージを膨らませ、間取りや内装、設備など具体的に考えていく。将来の生活の変化にあわせて、間取りが変えられるようにしておくといい。
2 希望の家を建ててくれそうな設計・施工業者を探す
情報誌やネットなどを見て、希望の家をつくってくれそうな住宅会社をピックアップ。資料請求をしたり、住宅展示場を見に行ったり、実際に話を聞くなどして、情報収集を。
3 現地調査を行う
土地によって建てられる家の広さや高さが決まってくるので、土地にかかる法規制を調べる「敷地調査」と土地の強度を調べる「地盤調査」を、専門会社に依頼して行う。
4 設計プラン&資金計画を決める
依頼先の候補を絞り、プランニングと見積もりを依頼する。比較検討して、依頼会社を決定。同時に、資金計画を決め、改めて本設計と本見積もりをもらい、不備がないか確認する。
5 契約をする
注文住宅では工事請負契約を結ぶ。契約書はもちろん、間取図や設備・仕様書もしっかりと確認しておく。不明点があれば、必ず契約の前に確認するようにしたい。
6 地鎮祭&着工
地鎮祭(土地を守る神様に工事の安全を祈願する儀式)を行い、いよいよ着工。工事中は任せっぱなしにせず、定期的に訪れて工事の進捗状況をチェックする。
7 上棟式(じょうとうしき)を行う
建物の骨組みが完成し、屋根ができたら上棟式を行う。工事の安全を願い、工事関係者をねぎらう意味があるが、最近は行わない場合もある。施工会社と相談して決めると良い。
8 竣工検査をし、引き渡し
建物が完成したら、竣工検査を行い、建物をチェックする。不具合があれば指摘して、直してもらう。その後、鍵と保証書をもらい、引き渡しが完了。引越しの手配をする。 

検検討から入居まで8カ月~1年半 建築のダンドリイメージ

結婚式が先? それとも同居が先?
かつては結婚式が終わってから、晴れて一緒に住み始めるというのが一般的だったが、最近では結婚が決まると同時に一緒に住み始める人も少なくない。結婚式前に一緒に住み始めるメリットは、結婚式の準備がスムーズに行えるということ。お互いの意思疎通も図りやすいし、一緒に準備できるから作業もはかどる。さらに、一緒に暮らし始めると同時に婚姻届も提出してしまえば、改姓と住所変更の届け出を一度に行うことができ、効率的だ。

結婚式が先? それとも同居が先?イメージ

借りるor 買う or建てる どんなダンドリで進めればいい?

結婚後の新居探しは、結婚式の準備などと並行して行うことが多いため、なにかと忙しい。どんなダンドリで進めていけばいいのかを事前にしっかりと把握し、準備をしていくとスムーズにいくはず。

将来は親と同居予定。それまでは賃貸で二人暮らしを楽しむ

夫(29歳・会社員) 妻(30歳・会社員)

[家賃] 10万円
[検討から入居まで] 約3カ月

将来は親と同居予定。それまでは賃貸で二人暮らしを楽しむイメージ

双方の実家が持ち家で、将来的には妻の実家に住む可能性が高いというAさん夫妻。そのため、自分たちでマイホームを購入するという考えはほとんどないという。金銭的なことを考えれば、すぐに同居という方法もなくはないが、「やはりしばらくは二人の生活を楽しみたいですから」とAさん。また、現在は両親もまだまだ元気。独身の弟も同居しているため、実家に入るのはかなり先のことになりそうだ。

そのため、新居は必然的に賃貸に。家賃10万円以内、駅まで徒歩10分以内、築10年以内、2LDK、風呂の追い焚き機能付きを条件に探した。「子どもができた時のことを考え、手当てが充実している東京都に住みたかったのですが、東京と埼玉では家賃が2万円~3万円違うので、そこは妥協しました」。なかなか見つからず、複数の不動産会社に声をかけてやっと見つけた現在の住居は、ほぼ希望通りの物件。居心地よく暮らしている。

将来の変化に備え、買い手・借り手がつきやすい物件を

夫(34歳・会社員) 妻(30歳・会社員)

[物件価格] 2530万円
[1カ月のローン返済額] 8万円
[検討から入居まで] 約5カ月

将来の変化に備え、買い手・借り手がつきやすい物件をイメージ

新婚でマンションを購入したBさん夫妻だが、当初から購入を考えていたわけではない。「初めは賃貸で探していたのですが、納得いく物件がなかったんです。それに、賃貸はお金を無駄にしているような気もして」と話す。いろいろ検討した結果、家賃とローン返済額が同じくらいなら、思いきって購入したほうがいいという結論に。両家の親も賛成してくれ、500万円の援助も取り付けることができた。
「ただ、やはり新築は高いので、築浅の中古物件を狙いました」。さらに、二人にはもうひとつ心配事が。将来的に転勤の可能性があるのだ。「そうなったら売るか、貸せばいいかなと。ですから、買い手や借り手がつきやすそうな、駅から徒歩圏内で、人気のエリアを条件にして探しました」。数件の不動産会社に声をかけ探すこと約4カ月。20軒以上を見学して決めたのが今の住まい。「リビングがもう少し広ければ……など細かな部分で不満はないわけではないけれど、おおむね満足しています」

同居するなら早めに。親の持っている土地にマイホームを

夫(32歳・会社員) 妻(27歳・会社員)

[物件価格] 3400万円
1カ月のローン返済額 約9万円
[検討から入居まで] 約7カ月

同居するなら早めに。親の持っている土地にマイホームをイメージ

もともと「家賃を払うのはもったいない」という考えを持っていたCさん夫妻。そこで、新居は一戸建て住宅の購入を検討していたが、一方で、将来的には夫の両親と同居することが決まっていた。「だったら、最初から一緒に住んだ方が効率的では?」と考え、両親と同居する家を建築することになったという。「新婚の間は二人だけで暮らしたいという気持ちがなかったわけではありませんでしたが、結婚前から同棲していたので、まあいいかなと」

土地は夫の両親が持っていたため、注文住宅を建てることに。土地の広さと予算の関係で、二世帯住宅にはせず、寝室以外は両世帯の共有とした。1階を両親、3階をCさん夫婦のスペース、2階を共有のリビングとする間取りにして、個々のプライバシーは確保できるようにした。軽量鉄骨住宅で間取り変更の自由度が少なかったことや、2台分のカースペースを取りたいなどの事情から、間取りを考えるのに苦労したというが、「自分たちで一からプランを考え、決めることができたのでとても満足しています」

将来を見据えて、どのスタイルにするか考えて

賃貸に住むか、購入するか、あるいは一から家を建てるのか、新婚の家の形態はさまざま。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自分たちにはどれが最もふさわしいか、考えてみよう。その際には、現状だけではなく、子どもは何人欲しいか、親とは同居するのか、転勤や転職はあるのかといった将来の展望を含め、検討するといいだろう。

将来を見据えて、どのスタイルにするか考えてイメージ

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