先日、今週末にマンションの契約をするというWさん夫婦が相談に見えました。既にローンの事前審査には通っているものの、何となく返済が不安だとおっしゃいます。どうしてでしょうか?
ローンの借入額を考えるときは、「借りられる額」と「返せる額」、この2つを考慮します。「借りられる額」は金融機関が貸してくれる額。それに対して、「返せる額」は、ローンを借りる人が返済できる額をいいます。「借りられる額」をオーバーして、ローンを借りることはできないし、「返せる額」を超える借入れではローンを返していくのが難しい……。いずれの視点も欠かせません。それぞれの算出法をご紹介しましょう。
「借りられる額」の判断には、主に返済負担率を用います。返済負担率とは、年収に対して、ローン返済(住宅ローン以外の返済も含む)が、どの程度の割合になるかを表すもので、金融機関によって基準が決められています。下記はフラット35のケースです。例えば、年収が500万円の人であれば返済負担率は35%以下。1年間に175万円まではローン返済に充てられる計算になります……。でも、ちょっと想像してみてください。同じ年収なら、誰もが同じだけローンを返すことができるでしょうか?
答えは「No」。実は、Wさん夫婦に抜けていたのも「返せる額」を考えることだったのです。次回(パート2)で考え方をご紹介します。
参考:フラット35の返済負担率
年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
---|---|---|
返済負担率 | 30%以下 | 35%以下 |