結婚しても共働きが常識となった今、2人でローンを組むことを前提に資金計画を立てる夫婦が増えています。しかし、共働きといってもその実情はさまざま。失敗のないローンプランを立てるうえでのポイントは何でしょうか。
判断のポイントは、共働きの状態がどの程度続くかということ。主に想定されるのは、下記の3つのケースです。
ケース1 子どもができたらすぐにでも妻は仕事を辞める予定
ケース2 数年先に子どもを考えている。子どもができたら妻は仕事を辞める予定
ケース3 (子どもができても)妻は仕事を続ける
ケース1の場合、ローンは夫1人で組むのが原則です。注意したいのは、ローンを組むのは夫1人だけれど、妻との収入合算を考えるケース。収入合算の目的は、借入額を増やすことに他なりません。夫1人では2,500万円が精一杯なのに、妻の収入を合算すると3,500万円借りられるといった具合で、これでは夫1人の返済能力を超えた借入れに。今は共働きでも、中長期的に妻の収入が当てにできないのなら、収入合算もやめるべきです。
ケース2では、妻が仕事を辞めるまでしばらくあるため、ある程度のローンを引き受けることを検討してもいいでしょう。但し、妻は退職時にローンを完済することがこのプランの肝。どの程度のローンを引き受けるかは状況によって異なりますが、例えば、次のような組み方を検討できます。
借入額 | 500万円 |
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借入期間 | 10年間 |
毎月返済額 | 約4万5000円 |
退職時残高(5年後) | 約 260万円 |
※2009年2月A銀行の金利。当初優遇5年固定年1.75%、元利均等毎月返済。年収320万円を想定
上記は、5年後に退職を考える妻が、毎月返済をしながら5年間で繰上げ資金の260万円を貯めるプランです。「月々の返済をしながら、繰上げ資金を貯めるなんて大変!」と思うかもしれませんが、将来を考えて、今のうちから夫1人の収入で暮らすことを前提とすれば検討できる範囲でしょう。繰上げ資金を貯める自信がなければ、はじめから5年間のローンを組む選択肢もあります(同程度の返済額であれば、借入れは260万円程度)。
ケース3は、夫婦の収入をあてにしていいケース。2人が別々にローンを組む、夫1人が借りて収入合算をするなど、選択肢が広がります。但し、妻が子育て休暇などをとる予定があるのなら、一時的に収入がダウンする可能性を考慮しておきましょう。
ひとくちに共働きといっても、ローンを組む際のポイントは異なります。今だけを見るのではなく、先々のことまで考えたうえで、プランを検討してください。