ボーナス返済は本当に使わないほうがいいの?

最終更新日 2023年07月20日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
ボーナス返済は本当に使わないほうがいいの?

最近、住宅ローンを返済中のお客さまの相談を受けていますと、毎月返済とボーナス返済を併用した住宅ローンの組み方をしている人は、減少傾向にあるような気がします。全ての住宅ローン利用者の動向を調べたわけではないので、正確ではないかもしれませんが、これから住宅ローンを利用しようとしているお客さまの返済計画を見ても、一昔前に比べると確実にボーナス返済を利用しようとしている人が減っていると思います。

確かに、近年の経済情勢を見れば、ボーナスが着実に増え続けている会社員は多くはないでしょう。景気や会社の業績などによって大きく変動する可能性のあるボーナスを当てにするのは、資金計画の安全性からいっても積極的にオススメできるものではありません。そういう意味では、ボーナスに頼らずに返済していこうと考えるのは良いことだと思います。

しかし一方で、住宅金融支援機構が調査している「フラット35利用者調査(2018年度)」の結果を見ると、全体の3分の1程度の人の返済負担率(=年間返済額÷年収)が25%以上で、全体の8割を超える人の返済期間が31~35年となっています。ボーナス返済を利用していないからといって、安全な資金計画になっているのかというと、一概にそうだとはいえない状況かもしれません。

無難なのはボーナス返済を利用しない資金計画

基本的なアドバイスとしてお伝えしたいボーナス返済についての考え方は、次のとおりです。

  • ボーナスを当てにした返済計画を立てない
  • ボーナスの変動が大きい人はボーナス返済を利用しない
  • 借入金額を増やすためのボーナス返済は利用しない
  • ボーナス返済はボーナス支給額の3分の1以下に抑えておく

やはり、基本的には利用しないスタンスのほうが無難だといえるでしょう。

ボーナス返済を上手に使って総返済額を減らせる可能性も

ただし、ボーナス返済を上手に使えば、総返済額を大きく減らすことができる可能性もあります。ボーナスの支給額が比較的安定している人は、ひとつの方法として知っておいたほうが良いと思います。

どういう方法かというと、不景気や会社の業績が落ち込んでいても最低限支給されるであろうボーナスの金額がある程度分かる人は、毎月の返済額は毎月返済のみで組む場合と同程度の返済額にし、さらにボーナス返済を少し利用することで、毎月返済のみの場合の返済期間よりも短く組むという方法です。

例えば、下の表を見てみましょう。
4000万円を1.5%の金利(全期間固定金利)で借りる場合(元利均等返済)、返済期間を30年にして毎月返済のみで返していくとすると、毎月返済額は14万円弱になります(*1)。

【 毎月返済のみの返済計画にボーナス返済を加えて返済期間を短くした例 】
返済期間 毎月返済額 ボーナス時加算額
(1回当たり)
総返済額
30年(*1) 13万8048円 約4970万円
25年(*2) 13万7978円 13万2318円 約4801万円
20年(*3) 13万8007円 33万943円 約4636万円
※借入金額4000万円、借入金利1.5%(全期間固定金利)の場合

そこで、毎月返済額は14万円弱で、年2回のボーナス時に1回当たり13万円程度を上乗せして返済していくことができるとすると、返済期間を25年まで短くすることができます(*2)。

さらに、ボーナス1回当たり33万円程度を上乗せして返済できるなら、返済期間は20年まで短くできるのです(*3)。

総返済額で比較すると、返済期間は30年より25年、25年より20年のほうが明らかに少ないことが分かるはずです。これは、毎月返済のみで住宅ローンを組んで、ボーナスをきちんと貯蓄しながら定期的に繰り上げ返済をしていく方法よりも、有利になる可能性の高い返済方法だといえます。

安定的なボーナス支給額が予想できる人にとっては、十分に検討に値すると思います。将来のボーナスについて慎重に予想しながら、利用の可否を検討してみるといいでしょう。

イラスト/杉崎アチャ

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