ローン金利に影響を及ぼす債券市場って、どんな市場?

公開日 2011年03月02日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)

債券市場は、世の中の金利水準を決めている市場といっても過言ではありません。債券というと、一般の人にはイマイチ馴染みの薄い商品のようですが、債券市場の動向は経済全体にも影響を及ぼす重要な市場だともいえます。住宅ローンの金利も債券市場の動向の影響を強く受けていますので、債券市場の特徴と債券の商品性の基本はしっかりと押さえておきましょう。

債券とは何?

○債券は国や企業が発行する借用書
さて、そもそもここでいう債券とはどんなものなのかというと、教科書的にいえば一種の借用証書です。お金を借りようとする国や企業が、貸し手となる個人投資家や機関投資家向けに発行する証券です。一定の満期があり、満期が来るまで、通常、年2回に分けて利息を支払い、満期時に元金を支払います。

○債券市場の内訳は?
日本の債券(公社債)の市場は、2009年の年間店頭売買高が約8600兆円となっており、うち約99%を国債が占めています。株式市場の売買代金と比較すると、債券市場は株式市場の10倍を超える規模の取引が行われていることが分かります。債券市場は株式市場よりもはるかに大きくて、その取引のほとんどが国債なのです。

国債とはなに?

○あなたも知らない間に国債を買っている?
国債というと、今まで一度も買ったことがないという人が多いかもしれませんが、私たち個人も間接的には大量に国債を買っています。例えば、公的年金の保険料の運用は、積立額120兆円ほどのうち、7割程度を国債で運用していますし、一般に利用されている預貯金も、預入先の金融機関等が大量に国債を買っていますので、私たちの預貯金の運用も国債で行われている割合が比較的高いと考えられます。

○国債の種類を知ろう
そんな意外と身近な国債ですが、現在、種類は豊富に存在しています。

1. 利付国債
従来からある個人が買える国債。中途換金時には債券価格の変動により元本割れする可能性がありますが、値動きは株価の変動に比べると非常に小さいのが特徴です。
・満期が2年、5年、10年、20年、30年、40年の国債
…固定金利。購入単位は額面5万円単位で、利息は年2回支払われる。
・満期が 15年の国債
…変動金利。購入単位は額面10万円単位で、利息は年2回支払われる。

2. 個人向け国債
2003年3月から発行が始まった投資家を個人に限定した国債。金利は同じ満期の利付国債と比較して低い傾向にあるが、中途換金時には国が額面金額で買い取るかたちになっているため価格変動はなく、実質的に元本割れのない仕組みになっている。すべて1万円単位で購入可能。
・固定金利3年タイプ
…固定金利。3年満期。中途換金は発行から1年経過後に可能だが、1年分の利息相当額(税引後)が額面金額から差し引かれる。
・固定金利5年タイプ
…固定金利。5年満期。中途換金は発行から2年経過後に可能だが、2年分の利息相当額(税引後)が額面金額から差し引かれる。
・変動金利10年タイプ
…変動金利。10年満期。中途換金は発行から1年経過後に可能だが、1年分の利息相当額(税引後)が額面金額から差し引かれる。

3. 機関投資家向けの国債
・物価連動国債
・国庫短期証券
・・・など

なぜ債券市場が金利に影響するの?

○定期預金と債券の違い ポイントは満期前の解約
債券は商品性としては、定期預金とよく似ています。満期まで保有するのであれば、基本的には同じようなものと理解していてもよいでしょう。しかし、定期預金とは根本的に違う点もあるので、そこはしっかりと理解しておきましょう。

・定期預金を満期前に解約するケース
…満期前でも途中で解約することが可能。中途解約利率が適用されるため、利率は下がるが、元本は保証されている。
・債券を満期前に解約するケース
…満期前の途中解約については、発行体(国や企業)は原則として受け付けていない(個人向け国債は、例外)。したがって、換金するためには誰かに売却しなければならない(通常は、証券会社等の金融機関に買い取ってもらう)。売却価格はその時点の価格となるので、値上がり益や値下がり損が発生する可能性がある。当然、元本保証もない。

○債券の価格変動が住宅ローンの金利を変える?
この「債券の売買の際に発生する価格変動」とはどのようなものなのでしょうか。大半を占める固定金利の債券の場合、下記のような価格変動をする傾向があります。(※注)
・世の中の金利水準が上がったとき
…債券の魅力が低下するため、債券価格は下落

・世の中の金利水準が下がったとき
…債券の魅力が増すため、債券価格は上昇

このように、「世の中の金利水準」と「債券の価格」は反比例する関係にあるのです。言いかえれば、このような債券の売買による価格変動によって、世の中の金利水準が決まってきているともいえます。フラット35の適用金利も、10年満期の長期国債の利回り(いわゆる長期金利)に強く影響を受ける傾向にありますので、住宅ローンの金利が気になるなら、少しずつでも債券市場に興味を持って、その動向をチェックしてみましょう。

※注…個人向け国債は、例外的に中途換金の際に国が額面金額で買い取るため、価格変動は起きません。

イラスト/杉崎アチャ

新築マンションを探す
中古一戸建てを探す
新築一戸建てを探す
土地を探す
賃貸物件を探す
引越し見積もりをする
中古マンションを探す
注文住宅の会社を探す
リフォーム会社を探す
売却査定する
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る