住宅ローンを借りている人の間で「6月危機説」というのがウワサになっているらしい。このところの不況でローン返済に行き詰まっている人が増え、6月のボーナスシーズンに多額のボーナス返済を払えず破たんする人が続出するという説だ。話の発端は過去に住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)のローンを借りた人で、返済が滞って家が競売にかけられた件数が増えていることにあるらしい。たしかに競売件数は2006年度が7000件台だったものが、2007年度は1万2000件台、2008年度は1万6000件台と増えている。だが、これは「2007年度から債権の回収を民間に委託したことで処理が進んだことと、差し押さえた物件が不景気で売却しにくくなり、競売に移行するケースが増えたため」(同機構)ということだ。
実際、旧公庫の貸出残高のうち破たんや延滞となっている債権の残高は2005年度以降は減ってきており、今になって急に増えているわけではない。とはいえ、ボーナスカットで返済が苦しくなりそうな人は早めに金融機関に問い合わせ、返済額の一時的な軽減や返済期間の延長などについて相談するようにしよう。