解散含みで衆議院がすったもんだしているなか、長期金利の低下基調が続いている。長期金利の指標となる10年物国債の利回りは景気回復への期待などから6月前半には1.5%を超えたが、その後は低下に転じて7月上旬には1.3%を割り込んだ。住宅ローン金利もフラット35の最頻値(返済期間21年以上)は前月の3.24%から7月は3.07%にダウンした。
金利低下の要因としては、世界的に景気の先行きが不透明になってきたことが挙げられる。日米とも株価が下落し、足並みを合わせるように長期金利が下がるという構図だ。だが、日本では政権交代をにらんで与野党が有権者受けする大型景気対策を打ち出している。来るべき衆院選の結果がどうあれ、国が国債を大量発行して減税や公共事業に多額の資金を使うという構造はしばらく続くだろう。
今は不景気だから長期金利が低いままだが、いずれ景気が回復してくると借金漬けの国の財政への懸念から金利が急上昇するリスクも高い。これから住宅ローンを借りる人は、今のうちに固定金利で借りて将来の金利上昇に備える対策も考えておきたい。