夢とこだわりをカタチに ログハウスこそ男の別荘

公開日 2010年12月01日
夢とこだわりをカタチに ログハウスこそ男の別荘

太い木材を組み上げ、勾配天井を茸き下ろしたダイナミックなログハウス。自然の中に映える、その野趣あふれる佇まいに憧れをもつ人も多い。その魅力をお伝えするとともに、実現するための具体的な方法を紹介しよう。

ログハウスの別荘を建てるということ

自然素材ならではの癒やし効果は大きいが、メンテナンスが必要なのも事実。丸ごと受け止めてこその、ログライフである。

木の空間で得られる五感の癒やし

ログハウスは構造体をすべて木でつくる家。下地材や仕上げ材も含め、一般住宅の何倍もの量の木が使われている。森の中で暮らしているような居心地で、木のよさをダイレクトに感じ取れるのが最大の魅力だ。ナチュラルな質感は目にやさしく、すがすがしい香りとともに、自律神経に働きかけて安らかな気分に導いてくれる。ぐっすり眠れる、食欲が増した、という声も多いという。

建物として見た場合も、木は熱を伝えにくい性質から、断熱性能は非常に高い。調湿作用にも優れる。つまり、夏は涼しく冬暖かい、梅雨のジメジメも少ないなど、居住性にも優れるということ。自然に囲まれた別荘地のログハウスで過ごす休日は、このうえもなく快適なのだ。

メンテナンスも遊び心で

ログハウスは一般に2タイプ。ひとつはログビルダーの手作業による、丸太を丸ごと使ったワイルドな「ハンドカット」。もうひとつの「マシンカット」は、工場の機械で製材し品質が均一化されたログで、スマートなデザインが特徴。どちらにするかは、オーナーのお好み次第だ。

いずれにしてもログハウスを所有する場合、メンテナンスが必要となる。自然素材の木は、割れや反りが発生する。木の伸縮でログ壁の高さが徐々に低くなる(セトリングという)ため、ボルトの締め直し、建具のたてつけの調整を行う。また定期的な外壁の再塗装も必須。作業は施工会社にゆだねるとしても、メンテナンスも楽しく遊び心でつき合える、そんな気持ちのゆとりをもちたいものだ。

ハンドカット・ログ
下記で紹介するK邸の外観。直径50cmものログ材を組み上げた、堂々たる構えのハンドカット・ログである。ログ材はカナダで加工されたもの。相模灘の絶景を見下ろせる高台の敷地に立つ

ログハウスの住み心地を聞く

ログハウスの原点ともいえるワイルドなハンドカット・ログを実現したKさんに、経緯や魅力をうかがった。

念願の力強い丸太のログハウスで海を眺めながら暮らす【真鶴・K邸】

DATA

敷地面積/562.91m2
延床面積/185.61m2
構造/丸太組み工法
竣工/2006年7月
設計・施工/ベルウッド

定年後は海の見える場所で暮らしたい、というのがKさんご夫妻の長年の夢。しかも建物はログハウスで、と決めていた。「なかでも丸太の醍醐味(だいごみ)が感じられる、ハンドカット・ログがよかったんです」

50代に入り、いよいよ計画をスタートさせた。気に入ったログハウスメーカーにコンタクトをとり、相模灘を見下ろす高台の傾斜地の土地を入手。順調な運びのように聞こえるが、「敷地までの道幅が狭く、長いログ材の搬入に困難を極めたこと、高低差が10m以上もある急勾配の敷地だったりと、メーカーさん泣かせでした」。それでも5カ月余りで完成したログハウスは、高基礎部分を地下室に活用した、地上2階建ての3層構造。直径50cmもの極太の丸太を積み上げた外観は、豪快のひと言に尽きる。

ご夫妻の自慢は、海に面したLDKだ。23.5畳ものワンルームで、上部は勾配天井を見せたダイナミックな吹抜け。室内でも丸太のログ壁は圧倒的な存在だが、おおらかな空間構成の中では圧迫感はない。また海側には広いデッキを続け、幅3.5mもの全開放窓を設けてリビングとの一体感を強調した。

入居した当初は、セトリングで壁が沈む大きな音がしたり、梅雨時の建具のたてつけが悪くなったりと、「生きた建物」であることを実感。「自然素材ならではの現象なので、メンテナンスも気になりません。定住する日が楽しみですね」

ハンドカット・ログ
LDKの入口の壁は、アーチカットと呼ばれるハンドカット・ログならではのデザイン。冬場は、薪ストーブだけで過ごせるという
木張りの勾配天井

豊かな質感にあふれる木張りの勾配天井。妻面に沿ってデザインした窓のフォルムも美しい

地下に設けた浴室

地下に設けた浴室は、ブルーのタイル張りの爽やかな空間。窓から海が見下ろせる

ウッドデッキ

ウッドデッキは手すりが視界を遮らないように、階段下に設置して高さを抑えた。気持ちが洗われるような絶景

理想のログハウスをつくるまで

依頼するメーカーが決まった後の、打ち合わせ、着工・工事、完成に至るまでのプロセスを追い、押さえるべきポイントをまとめてみた。夢がカタチになっていく過程も楽しみたい。

打ち合わせ(平均3~5カ月)

まずは依頼先のメーカーとのコミュニケーションが大切
メーカーとは、なんでも話し合える関係を築きたい。共に夢に向かっていく連帯感が生まれれば、イメージ以上のものができ上がるだろう。自然のむくの木を多く使う特性を考えると、木の知識、扱い方への理解も必要に。積極的に質問して、アドバイスを受けよう。敷地を決める相談なども、もちろんしてよい。

定住も視野に入れるかどうか。ログのよさを活かしたプランを
ログハウスを別荘として使うか、定住する予定もあるかを明確に。定住の場合は、より生活しやすい機能的な動線を考慮してプランニングする必要があるからだ。いずれにしても、木をふんだんに使うログハウスは、ダイナミックな空間が似合う。吹抜けのリビングや眺望優先の大きな窓、ウッドデッキ、ロフトを活かした個室、露天風呂感覚の浴室などを取り入れる人が多いという。

着工・工事(平均6カ月~)

工事のスケジュール

契約→ ログ材発注・加工→(平均3カ月~)→ ログ材到着・現地工事→(平均3カ月~)→ 竣工検査・引き渡し

ログハウス独自の工事の流れを頭に入れ、スケジュールを調整
契約後、確定プランをもとに、ログ材がカナダや北欧などの海外に発注され、加工が行われる。それが船便で到着するまで約3カ月。その間、現地では土地の整地や基礎工事が進められる。そしてログ材が到着し、組み上げがスタート。工事日程は、いつ入居するかで決まる。ただ、積雪地帯では冬季は基礎工事が難しい場合があり、また、ログ材組み上げは梅雨時は避けたほうが安心。別荘地によっては、連休の期間は工事ができないこともありうる。綿密なスケジューリングが必要だ。

ログ材到着・組み上げはハイライト。見れば気持ちが盛り上がる
ログハウス工事の流れを下の写真で示した。遠隔地ではあっても、できるだけ現地に赴いて工事を見守り、施工スタッフとの交流を図りたい。とくに見ておきたいのが、ログ材の到着と組み上げのときだ。巨大なコンテナの鍵が外され資材が取り出された瞬間は、感激もひとしお。また、壁材の組み上げを見ることで、ログ材の頑強さも実感できる。

工事の流れ

地鎮祭

【1】 地鎮祭
地主神を鎮め、工事関係者の安全を祈願。いよいよこれからと、気持ちが引き締まる

基礎工事

【2】 基礎工事
一般住宅と同じくコンクリートのベタ基礎。ログの重量がある分、より強固につくる

ログ材到着

【3】 ログ材到着
40ftコンテナを積んだトレーラーが到着。クレーン車を使って資材を下ろす

ログ材組み上げ

【4】 ログ材組み上げ
組み上げ工事は数日から10日間。強固なログ材の組み合わせ部分を、確かめられる

屋根工事

【5】 屋根工事
屋根がかかってサッシが入り、完成形に近づいてくる。内装仕上げも始まる

地鎮祭

【6】 完成
緑豊かなロケーションを背景に、外壁の赤いカラーが際立つ、美しいログハウスが誕生

行けないときは、現場から報告をもらうなどして状況確認を
工程が進むときには、現場がどんな状況か知っておきたい。書面やメール画像などで報告してもらおう。施工スタッフと親密な関係が築けていれば、やりとりもスムーズにいく。

完成

メンテナンスは自分ですればなお楽しい
メンテナンスの内容、時期、費用をチェックしておこう。セトリングが落ち着くには3~4年かかるので、それまでは対策が必要。外壁の再塗装は3年目までに1回行い、そのあとは5年ごとを目安に、様子を見ながら実施。足場に乗らなくてすむ1階部分は、施工スタッフと一緒にやるのも楽しいだろう。塗装費用は30坪(約99m2)台のログハウスで目安として約60万円からだが(塗料の種類、建物の形状による)、自分ですればコストを抑えられる。外構やウッドデッキの製作を、休日に訪れた際に行う人も多いという。

安心のために、土地や建物の保証制度についても再確認する
保証制度は各社で用意され、任意の場合は契約時に加入を決める。建築後にかかわる制度としては、建物の「瑕疵保証」、地盤沈下で生じた損害責任を保証する「地盤保証」など。いま一度、その詳細を確認しておこう。

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取材・文/川成亜紀 撮影/金田邦男、下野好朗 イラスト/カシマチカコ 制作/桑原泰弘
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