システムキッチンの基礎知識

09年08月19日
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好みや必要に応じて素材やビルトイン機器を選べる

システムキッチンは、キャビネットやビルトインタイプの設備機器の上部に、継ぎ目のない天板を組み合わせたもの。キャビネットのサイズは数種類あり、すき間を調整するカバー部材も用意されているので、どのようなスペースにもほぼぴったりと収められる。扉の素材や色、デザインのバリエーション、設備機器の種類も豊富で選択肢は広い。

最新のタイプはデザイン性、機能性ともに充実。パステルカラーの扉材は部屋を明 るく演出する。人造大理石のシンク、引き出し式収納 を装備●ミカド
オープンかクローズドか、対面式か壁付けか。キッチンのスタイルを決める

キッチンは、ダイニングとのつなげ方によってオープン、セミオープン、クローズドといったスタイルに分けられる。その中で、キッチンセットをI型、II型、L型、U型、アイランド型など、どんなレイアウトにするかを決めるのが一般的な手順だ。 選択のポイントは、キッチンの広さと、キッチンに主に立つ人がどう作業をしたいかによる。キッチン空間だけ別にとるスペースの余裕がない、または家族と一緒に調理や片付けをしたい場合は、ダイニングと同一空間に設けるオープンスタイルがおすすめ。 最近では、アイランドカウンター部分を広めにとったプランが人気だ。作業の手元だけは隠したいというなら、吊り戸棚などでダイニングと一部を遮蔽するセミオープンに。作業は集中して行うのが習慣、といった家庭では、独立型が適している。

キッチンセットの前後に壁があり、ダイニングが別室になっている。煙や作業の音が流れにくい

ダイニングに向かった壁が部分的にオープンになっている。作業しながら会話も楽しめる

ダイニング側には壁も吊り戸棚もなく、フルオープンになっており開放的。現在は最も人気

キッチンセットの前面に壁があり、背面にダイニ
キッチンのレイアウトパターン

ダイニングとつながる開放的なプラン。家具のようなスタイリッシュなデザインがトレンド●パナソニック電工
収納やシンク、天板などのパーツは機能性と使い勝手のよさを考慮する

パーツは、使い勝手のよさを考えて選ぶことが大切。例えば収納。流し台下のフロアキャビネットは、現在では引き出し式が主流で、奥のほうまで見渡しやすく出し入れもしやすい。高さのあるものや鍋を重ねて入れたい場合は、従来からの開き式を選択するとよい。吊り戸棚は、あまり高い位置にあると使いにくい。そこで天井ら頭の位置までのロングタイプや、自動昇降式の戸棚を利用しよう。安全面は、耐震ラッチなどを備えているかもポイント。

天板はステンレスと人造大理石の2種類が一般的。いずれも機能的なことに違いはないが、ステンレスのほうが汚れ落ちもよく、より耐久性に優れる。人造大理石は質感が美しく、キッチンのインテリア性を重視したい人向き。

シンクはステンレス素材が主流。奥行きが50cm前後の広いものが標準で、このサイズだと中華鍋や大皿が洗いやすい。最近では、水道水の水ハネの音を低減する機能も登場。リビングとつながるオープンキッチンなどで、作業中の音が気になるという家庭では、ぜひチェックしておこう。"

火や水、油汚れに強い素材。 この商品は左右が立ち上がった形状で、掃除しやすい●ナスラック

厚みのあるソリッド構造で、 傷は研磨して元に戻せる●ヤマハリビングテック

制振構造を採用した『美・サイレント シンク』。水仕事中も普通に会話ができる●クリナップ

制振構造を採用した『美・サイレント シンク』。

間口77cm、奥行き49cmのシンクは大きな鍋もすっぽりと入る●タカラスタンダード

簡単に目の高さに降りる。 内蔵式のリモコンで手元の操作が可能。水切り、収納、 乾燥タイプの3種類●パナソニック電工
手入れのしやすさも要チェック

水栓金具は、いくつかの種類があるが、最近のシンクは大型化しており、その分内部の清掃に手間がかかる。引き出して隅々まで洗えるホース式のシャワータイプを選ぶと便利だ。

キッチンの扉材も、汚れの落としやすさがポイントに。光沢のある鏡面仕上げで、かつ凹凸の少ないデザインだと、汚れがつきにくく埃もたまりにくい。淡い色では汚れが目立つので、掃除をまめにする習慣もつく。

壁材にも留意を。最近はパネル素材のものが一般的になっており、表面がツルツルして、簡単な拭き掃除できれいになる。

ホースが伸び、シンク内の汚れを隅々まで洗い流しやすい。ダイニング側にも水が飛び散りにくい●EIDAI

汚れがついても拭き取りやすい●EIDAI
価格がどこで変わるのかを知り、予算に合った選択を

キッチンは流し台と吊り戸、ガスレンジ、レンジフードのついたセットで基本価格が設定され、扉や天板、収納部材を変更したり、設備機器を加えていくことで価格が変わる。中でも扉材は種類が多く、どれを選ぶかで価格に大きく差が出る。ちなみに新築時の、キッチンのトータルの購入金額は、リクルートの調べ(08年)では、平均すると130.3万円という結果に。

文/川成亜紀
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