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パナソニック エコソリューションズ社 住建新事業・商品企画室 酒井武之さん
「全自動おそうじトイレ」、これまでにない画期的な機能を備える「アラウーノ」はいかにして誕生したのか?パナソニック エコソリューションズ社・住建新事業・商品企画室の酒井武之さんに話を伺おう。
「いかにお手入れをしやすくするかではなく、『なぜお手入れが必要なのか』、そこから開発がスタートしました。お客様宅の訪問調査では、『買ったときはキレイなのに、ずっと使っていると汚れてくる』という声があり、それがヒントになりました。汚れの原因はトイレの素材の陶器。非常に水アカがつきやすいんです。そこで陶器以外の素材を検証し始めたのです」
水アカのつきにくい有機ガラス系の新素材をトイレに採用。
「ただ、それだけなら汚れがつきにくいトイレです。当社はミクロの泡を使った技術をもっていたので、これを応用しようと。水と洗剤にミクロの泡を入れることで、洗浄力が大幅にアップしました。素材と洗浄法、この2つがそろって初めて、全自動洗浄が実現したんです」
発売当初のモデルは洗剤を入れるタンクが取り出し式だったが、「入れづらい」と不満の声が。そこで、現行モデルではタンクを取り出さずに洗剤を入れられるように改良
通常、便器と便座は素材が異なり隙間が発生するが、アラウーノは便器と便座が同素材の一体成型。
隙間がなくてお掃除がラク。新素材が新たな家事ラクを生んだ
水アカが付着しにくい有機系ガラスをトイレの素材に採用。
陶器以外のトイレに不安もあったが、グループインタビューでは「汚れが落ちるならかまわない」と支持も多かった
洗浄方法は水と洗剤の2度洗い。この水と洗剤の中にミクロの泡を入れることで洗浄力をアップ。実はこれ、同社がお風呂の酸素浴のために開発した技術を応用したもの
開発で苦労したのが、「本当に汚れが落ちるかどうか」の検証。なんと、粘度の異なる5種類の擬似便を独自開発してしまったのだ!中華料理の後(油が多い)の便など、設定も驚くほどリアルだ。
LIXIL 桑原俊勝さん(※当時)
「トイレは白」、そんな常識を覆したINAX(LIXIL)の「レジオ」。ご覧の通り、真っ黒のトイレである。LIXILの桑原俊勝さん(※当時)に伺おう。
「開発当時の2008年は、自分のこだわりにはお金を惜しまない“一点豪華主義”の風潮があり、ちょうど住宅設備のトレンドもシルバー系からモダンな黒に変わりつつありました。そこで、こだわりをもつユーザーに向け、高級感のある黒いトイレを提案したのです」
だが、開発は困難を極めた。
「実は、黒というのは焼き物でいちばん難しい色なんです。いろんな色を混ぜて黒にするので、均一に仕上げるのが難しい。ツヤ消しはさらに難易度が上がります。正直、完成ギリギリまでツヤありにするか悩みましたが、焼き物メーカーとしてのプライドをかけて技術者が奮闘し、ようやく商品化に成功しました」
快適性を求めて、従来品より横幅を13%アップした大型ワイド便座。縁もあえてスクエアに。モニターテストでは「長時間座っても疲れにくい」との声があがったという
構成・文/藤井たかの 撮影/玉井幹郎、村瀬高司、渡部健五
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