「いくらまでなら返せるか」の計算方法

09年06月17日
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「いくらまでなら返せるか」の計算方法

「借りられる金額ではなく、返せる金額を借りましょう!」

アタリマエの話なのですが、近年は、多くの人にとって、返せる金額よりも借りられる金額のほうが多くなっているのです。

一般的な金融機関では、返済負担率などと呼ばれる年収に対する年間返済額の割合が、35%以内とか40%以内といった条件を、融資の審査の際のひとつの基準としています。 しかし、これは借りられる金額の上限の目安です。

一般的なサラリーマンが返済負担率の上限までローンを組んだ場合、例えば年収が500万円だと、返済負担率35%で3,280万円(審査用の金利を4%とし、35年返済で計算したとき)、返済負担率40%で3,750万円(同)まで借りられる計算になります。年収が700万円なら、35%で4,600万円、40%で5,260万円まで借りられる計算です。

住宅ローン以外の支出もありますし、収入も必ず増加するものではありません。
実際に家計を圧迫してしまうケースがふえているのです。

「いくらまでなら返せるか」の計算方法

では、現在の家計から返せる金額を求めるにはどうしたらよいのでしょうか。
本来であれば、将来の教育資金や老後資金などのことまで細かく見積り、複数のシミュレーションをしたうえで、妥当な金額を計算していくのが理想ですが、そこまでやるのはなかなか大変です。
ここでは簡単に概算額を求める方法をまとめておきましょう。

まず、いま支払っている家賃の負担が、家計の現状からしてそれほどキツイ状態でないかどうかを確認します。目安は、最低でも年間数十万円以上の貯蓄がきちんとできているかどうかです。あまり貯金ができていない人は、現在の家賃の負担は高めであると認識すべきです。

そして、教育費や老後資金を貯めていくための年間数十万円以上の貯蓄を確保しながら、住居費に回してもいい金額を求めます。一般的には「現在の家賃+α」ですが、αの額は少ないほど家計にゆとりが生まれますので、多くしないように注意しましょう。

例えば、「現在の家賃+α」の金額が毎月10万円だったとすると、ローンの返済と維持費の負担を合計して毎月10万円の範囲内なら、なんとかなることが予想できます。維持費の負担(固定資産税、都市計画税、管理費、修繕積立金など)を年間30万円程度とするなら、毎月2万5000円程度ですので、ローンの返済に回せる金額は毎月7万5000円になります。

次に、返済期間を考えます。老後の生活にしわ寄せがいかないような返済期間を考えるなら、60歳くらいまでに返済が終了するように組むことが大切です。仮に、返済開始時の年齢が35歳なら、25年(=60歳-35歳)が自分にとっての最長返済期間だと考えるべきです。安易に、「長めに組んで途中で繰り上げ返済をすれば大丈夫」などと考えてしまうと、将来の家計に必ずしわ寄せがきます。そのしわ寄せが、子供の教育費にいったり、老後資金にいったりしてしまうのです。ここは心を鬼にするくらいの気持ちで、冷静に判断すべきです。

では、毎月7万5000円を返せる人が、25年のローンを組む場合、いくらまで借りられるのかというと、金利を3.5%で計算すると、下表から、1500万円くらいまでなら大丈夫だろうといえます。

ここで出てきた金額以上を借りてしまうと、何度も言いますが、将来の時点で家計に何らかのしわ寄せがいってしまう可能性が出てくるわけです。是非とも、この金額の範囲内に借りる金額を抑えるべきです。

したがって、現在の家計から安心して購入できる物件価格は、ここで求めた金額に、現在準備できている頭金を足した金額となります。住宅購入を検討している人は、この流れで自分の買える物件価格を求めてから、モデルルームやモデルハウスに行くようにしましょう。

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