住活で見事ゴールインするには、夫婦のチームワークが大事。とはいえ、いくらチームワークがよくても目標となるゴールがキチンと定まっていなければ、いつまでたってもシュートは打てない。ここからは、ゴールに向けたシュートを打つ、具体的な戦術を探っていこう!
住宅購入(ゴール)への第一歩はまず、住宅事情を知ることだ。どんな物件があるのか? 価格はどのぐらいなのか? 入居までのスケジュールはどんな具合か? など、一般的な住宅事情を調べよう。実際にモデルルームや不動産会社のお店に足を運んでみると、具体的な目標が見えてくるはずだ。
梶井さん:「まずは、自分たちに買える物件の具体的なイメージをつかんで、自分たちの理想に向けた、ベース案を作ってください。そのために、新築・中古、マンション・一戸建て問わず、とにかくいろいろな物件や展示場を夫婦で見に行きましょう。そうすれば『500万円の頭金なら、こんな物件が買えるな』とか『注文住宅だと半年じゃキビシイかな』などという感覚が掴めます。
感覚がつかめてきたら、購入までの期限を設けてください。『500万円の頭金が貯まったら』とか『子どもの入学までに』という具体的な期限を設けると、ゴールはより具体的になってきます。現地に行けばローンの相談にも応じてくれますから、積極的に足を運んでください」
「こんな家がいいなぁ」とか、「こんな家が出てきたら買おう」と思っているだけでは、目指すべきゴールは決まらない。価格やスケジュールの感覚をつかんで、まずはゴール(=目標)に向けたベース案を作ろう。ベース案ができて、ようやくキックオフとなる。
ゴールに向けたベース案が決まったら、実現に向けた作戦をねろう。ここで思い出してほしいのが夫婦の得意分野のハナシだ。
梶井さん:「女性は間取りや周辺環境など、住み心地に関する分野が、男性は価格や立地に関する分野を得意とする傾向があります。ですから、『LDKが南向きでいい』とか『ここは小学校が近い』という建物や環境に関わる条件は妻が、『あと300万円プラスしたら、もう少し駅が近くなりそうだ』といった、価格や立地に関する条件は夫が担当する、というふうに、お互いの得意分野を活かすといいですね。
とはいえ、あまり固く考えないでくださいね。『広く浅く』でいいんです。ベース案を強化するのが目的なので、専門家のような知識はいりません」
夫が資料請求と情報整理をして、妻が現地見学でこまかい「気づき」を共有して……というのもひとつの手。住活もサッカーと同じく、得意分野を活かした作戦づくりがキモとなる。立地に間取り、設備に価格……、この段階では、まだまだクリアすべき敵は多い。
戦術2で作戦を立てたら、「本当に必要な条件は何なのか?」を考えるのが次のステップ。自分たちに最低限必要な条件は何なのか?どれぐらいの価格なら実現できるのか?ふたりの絶妙なパスワークで、ゴールへの道を切り開いていこう。
梶井さん:「このステップは、戦術1と戦術2の集大成。もう一度ふたりの意見を調整してください。条件整理は男性の方が得意な人が多いから、ここは夫をたよってみてもいいかもしれません。夫婦の意見がうまくまとまれば、自然と候補になる物件は絞られてくるものです。『ここは絶対にゆずれない!』というだけでなく、『ここはこうじゃなくてもいいかな』と、ときにはゆずることも大事ですよ。ケンカになるようでは、お互いに満足のいく住宅購入はできません」
戦術1で作ったベース案を戦術2で強化して、ようやく候補が絞られた。ここまできたら、敵のディフェンスはもういない。あとやるべきは「シュートを放つのみ」だ!
候補となる物件に狙いが定まったら、さらに見学や情報収集を重ねよう。ここまできたら、今まで培ってきた夫婦のチームワークや意思決定力を信じて進もう。納得のいくまで、そして自信を持って「コレだ!」を言えるようになるまであと少しだ。
梶井さん:「価格やスケジュールの感覚がしっかりと身についていれば、自信を持ったシュートが打てます。戦術1で『たくさんの物件見学に行こう』と言ったのもそのためです。戦術1で身につけた感覚は、物件候補の絞り込みや最終決定に必ず活きてきます。自信を持って選んだ家なら、きっと満足のいく暮らしができるでしょう。そのためにも、モデルルームや展示場でたくさん質問をしたり、現地の周辺を散策したり、納得のいくまで足を運んでください」
最初に「たくさんの物件を見よう!」と言っていたのは、自信を持った選択をするためだったのだ。これで、シュートを打つべき方向は定まった。さぁ、自信を持ってシュート打とう!
「住活成功」のカギはズバリ、夫婦のチームワーク。住活成功の秘訣は、夫婦の得意分野を知り、購入という名のゴールに向かって、ふたりの意見をまとめていくことにあった。そのためには、「自分たちにとっての真の理想」(=ゴール)を導き出すための情報収集と条件整理が欠かせない。理想の家に少しでも近づくために、今夜はお互いの「理想の家像」を話し合ってみてはいかがだろうか?
データ出典
※1)全国で、住宅購入を思い立ってから6カ月以上経過している住宅購入検討者206名と、6カ月以内に購入(時期は5年以内)した住宅購入者206名(いずれも20~49歳の男女)にインターネット調査を実施。2010年3月調べ。
※2)首都圏・関西で、1年以内の住宅購入者・1年以内に住宅購入を検討している人800名を対象にインターネット調査を実施。2010年3月~4月調べ。